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街言葉叙景

花氷

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麦子はビスケット・フォーン、
豆代はアマガエル・フォーン、
栗実はシマリス・フォーンを持っている。
新しい季節のiPhoneより瑞々しい顔ぶれで、
フォーン同士を集めると「街」と認識して、
会話したり、喧嘩したり、
秘密を籠に入れ合ったりする。
ある日、カエルの奴がビスケットの奴を
齧って食べてしまった。
齧られたビスケットは笑っていた。
するするすると蜘蛛クラウドたちが霧散すると、
シマリス・フォーンが、
ビスケットの周りを回り出す。
回転。(洗濯槽にもカビがいると
回転。(ずっと刷り込まれている
日曜。(そんなことを思いながら
ビスケットの齧られた頭は回復して、
元通り、薄く、軽く、
正確な霊魂になった。
香 り も。(ゆるゆるの ビスケットらし
             い、   優し
             い、
Airを 秋に漂わせ始めた。
お散歩カーに乗せられた、
園児1、2、3、4、たちが揺られている。
二台、
通り、 過ぎる。
お婆、 さんも最新式のシルバーカー1を
お婆、 さん、し、ながら
通り、 過ぎる。

ビスケットの奴は ミルク色に笑って、
カエルの奴をひたひたに許してやった。
シマリスの奴と、わらわらと三人で笑った。
三人は  麦子5G,   豆代Pro Max,
 & 栗実メガピクセル  を連れて、
(お散歩カーの 超広角園児と共に、
手ぶれ補正も気にせず望遠に行ってしまった。

ほけんの窓口の赤い看板。

センチュリー21の黄色。(席からスタバの窓見える
東急リバブルの青い看板。(景色の意識は
     青い扉。(開けると
(静かである。
夢封筒を持った人がきみの詩を持ち去る。
オレ – ンジ色の ヨギボー
担いで颯爽と 歩く(眠る マーメイド 。
工事中のすべすべの白い壁。
街はいつになっても完成するだろう。
「すべて」
工事中のすべすべの白い光。
街はいつまでも完成するだろう。
a_boyは まだ来ない。
白い。白い未完成が緩やかに走り出し、
そこへ別の(彼か)夢が停車し、
ねむり を 変えながら      空
     白は 繰り 返される。
 タ タ タ
 ル ル ル  ル タ  ハ ナ ウ タ ダ ケ ガ
    まだ来ない。  (手紙は白いまま
郵便局前を 緩やかに離陸したきり。
bananaをスプーンでひと匙掬う母親。
ここがいちばん柔らかい街です。
都会的なベビーカーですやすや、
誰かの口へ文字を届けている。
眼差し溶けている。
街は 光の俳優で、
今日も箱馬を転がしている。

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