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精子についての詩

田上友也

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俺は彼女に

どうやって

俺の精子を飲んでほしいと伝えればいいのかわからなかった

たぶん

彼女はいいよと言って

飲むのだと思う

ただ

本当にそれでいいのか

と俺は思う

俺は俺の精子を飲んだ女しか愛せないわけではないけれど

かなの二人前に付き合っていた彼女が

精子を飲むのが好きで

精子を飲んでもらわないと

なんか居心地が悪かった

ただ

その後に付き合ったさりは

半年くらいで別れたから

それを打ち明けるまでには至らなかった

かなと付き合ってもう一年が経って

たくさんセックスをしたけれど

もちろん気持ちよかったけれど

なんか居心地が悪い

この前セックスのあと

かながたくさん潮吹きしたから

ちょっとお風呂入ってくるね

お風呂に入っている間に

俺は自分の出した精子が

コンドームに溜まっているのを

眺めていた

俺は飲む対象がかなである必要があるのだろうか

と思った

俺でもいいんじゃないのか

と俺は思い

この居心地の悪さを解消したい一心に

自分の精子を飲んだ

いや

飲もうとしたのだけれど

全然飲み込めなかった

でも

飲み込んで

とても苦かった

俺は

もう一度したセックスで出した精子を

かなに飲んでほしいと伝えて

彼女はえーと言いながら

飲んでくれた

俺は彼女においしい?と聞いた

彼女はうーん、おいしいと答えた

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