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資本主義についての詩

田上友也

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たけるは詩人になりたかった

世の中は資本主義の時代だったから

あやとのこどもができたときに

たけるは

あやとこどものひなを守りたかった

資本主義に殺されると

たけるはわかっていた

俺たち人間は強くなくては

資本主義に殺されると

直感していた

たけるは言葉を売った

言葉を売って

お金に換えた

それで

あやにティファニーの指輪をあげた

ひなの学費を払った

ローンを組んで

家を建てた

たけるは言葉を売った

それはたけるから出てきた言葉を売っていたのか

たける自身の大切な部分だった言葉を売っていたのか

たける自身にもわからなくなってしまった

魂だけは売らない

たけるはそう思っていた

でも

もうたけるは言葉を売り続けるしかなかった

あやとひなを守るためには

たけるは言葉を売るしかなかった

だから

たけるはもっと言葉を求めた

自分だけでは言葉を作りきれなかったから

人から奪った

株主の前で

俺の言葉の方が優れている

と言い放ち

それは昨日殺した同僚のさとしの言葉だったりした

でも

仕方なかった

あやとひなを守るためには仕方がなかった

プレゼンを終えて

家に帰った

あやとひなは

空から落ちてきた大きな言葉に家ごと踏み潰されて

バラバラになっていた

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